Elysion(絵流詩音)

詩文 × 音楽 × 絵画 の三位一体で紡ぐ、小さな物語。


Elysionは、
詩文、音楽、そして絵を重ねながら、
都市の記憶を編んでいくマガジン。

恋。
憧れ。
熱。
喪失。
微睡み。

言葉だけでは、少し足りなかった。
だから、音を添えた。
それでも零れるものに、絵を置いた。


彼女は、世界を広げてくれた。
だから、この物語は彼女への感謝として記す。

Elysion 全十一景

  • I  Blue Flame-青春と憧憬-

    II  Memories-思い出の代償-

    III  Kyoto Nocturne-雨の京都、逆回転する時間-

    IV  Musical Lights-遠ざかる青春-

    V  Small Table, Small World-珈琲と会話-

    VI_A Metropolitan-Babylon Tokyo-

    VII  After the Summer-失われた季節-

    VIII This Year’s Love-けやき並木の下-

    IX_A Mirror Room-自意識と孤独-

    IX_A Mirror Room-自意識と孤独-

    IX_B Fallen Angels-堕ちた者たち-

    X  White Wind-初夏の終わり-

    終章 This Love

Elysionの世界へ

Elysion.ⅱ 逆回転

最初に身体を重ねた。
他者にはゴールでも。
私たちには、始まりだった。

そこから、逆回転。

グラスを重ねた夜。
汽笛、夕暮れの港。
横濱・馬車道の午後。

木漏れ日の中の午睡(シエスタ)。
ただ、穏やかな時間が流れていた。

特別だと知った頃。
恋になっていた。

楽曲∶Ed Sheeran/Perfect


Elysion.ⅵ ミントの恋

悲恋なら、
嘆き、塞げばいい。

紙煙草みたいに、
しばらく残る。

苦さも、辛さも、
そのうち、夜景に混じる。

少しだけ、
ミントの味が残る。

そしてまた、
誰かを好きになる。

人は、多分。
それを繰り返す。

キミも、僕も。

楽曲∶Some Days/Brent Morgan


Elysion.Ⅲ.ⅰ 京女

祇園、四月。

都おどり、鐘の音。
桃色ヒジャブ、花飾り。

今昔、
京女。

暮明。
白い背中、
猛禽の刺青。

凝視。
瞳、重なる。

楽曲∶Hallelujah/Jeff Buckley


Elysion.Ⅳ.ⅱ 十八歳の春

息を吸い、
音をぶつける。

勢い、若さ。
一瞬の輝き。

これが、ソロ!
私の音だ!

音色が弾け、
光が散る。
重なり合う。

横をみると、
仲間たち。

目が合う、
笑み、そして涙。

十八歳の春。
──決して忘れない。

楽曲∶TANK!/Yoko Kanno & SEATBELTS


Elysion.Ⅷ.ⅰ 青き炎

食後には、
桃のコンポート、
チョコ・プレート付き。

ブランデーを垂らす。
カチッと音がし、
一瞬、フランベの青い炎。

“ワッ”と歓声、 芳ばしい香。

記念日。
そうやって、祝った。

今は、見ている。
もう、舞台は降りた。

青き炎は、一瞬。

過ぎ去っても、
思い出は、残る。

きっと、
僕らも、彼らも。

楽曲∶Until I Found You/Stephen Sanchez


Elysion.Ⅸ.B.ⅲ キミが、笑ってますように

怒りは、
いつしか消えていた。

恨みも、
裁きも、
昨日の俺へ、
置いてきた。

時折、
“悔しさ”が、
息をする。

守れなかった。

静かな部屋。
余熱だけ。

ただ、今日。
キミが、
笑ってますように。

楽曲∶A Song For You/Leon Russell